Quantcast
Channel: 電子工作、エレクトロニクスの寄り道
Viewing all 343 articles
Browse latest View live

テスターの精度(2)

$
0
0


 ではでは、ということで、次に秋月で、もちっと後で購入したMETEX社のP-16です。Pちゃんと呼びましょうか(笑)
 いくらだったかな、1000円台だったかもしれません。
 同じようにDC5VとAC100Vを測定してみたのですが、同じような結果で、Pちゃんもなかなか正確ではないですか! 素晴らしい。

テスターの精度(3)

$
0
0




 次に、やはり秋月で買ったと記憶している、安物テスター2つです。
 1つめは、MASTECHという聞いたことのないメーカー(失礼!)のMAS830Lというもので、当時1100円でした。DC5Vは、PC710が5.000Vの表示に対して、5.01Vと、これまた大変な精度です。AC100Vについては、PC710が100.5Vに対して99.1Vですから、1.4%の誤差でした。
 2つめは、同じくMASTECのM-830Bですが、当時なんと600円という激安でした。DC5VはPC710が5.004Vの表示に対して、4.97Vと、これまでで一番精度が悪いようですが、それでもDCV測定では素人が使うには十分な精度のようです。AC100Vについては、PC710が100.7Vに対して99.2Vですから、1.5%の誤差でした。
 安いテスターだけあって、これまでのものより精度が低いようですが、校正も何もしていないのだし、値段が値段です。特にM-830Bに至ってはたったの600円ですから文句は言えません。また、使ったことがないのですがhFEも測定できる優れものですよ。ちなみに、取説には、ACVの精度は±1.2% of rdg ±10dgtsとなっていまして、仕様どおりということでしょうか。

テスターの精度(4)

$
0
0
 ちなみに、「±1.2% of rdg ±10dgts」の意味ですが、
 rdgというのは、readingの略だそうで、読み取り値又は測定値を示しているそうです。
 また、dgtsというのは、digitsの略で、分解能を示しているそうです。digと表記されることもあるそうです。
 わたしゃ、こういう変な略語はきらいです。NHKだけにして欲しいです。
 
 いずれにしても、例えば100Vを200Vレンジで測定したとき、測定誤差が最大±1.2%あり、さらにレンジ誤差が10桁ありうる ということですので、M-830Bの場合、誤差が最大で
1.2V+1V=2.2V
あるわけで、
測定値は、97.8~102.2Vの範囲ならば正常ということですね。

 まあ、1つの例ですが、安物テスターの場合、ACVについては、このぐらいの精度ということですね~
もっと正確に測定したかったら、もちっと高価なテスターを買いなさい、ということですね~
正弦波でなくて、波形に歪があったら、安物テスターの場合、さらに測定誤差が大きくなるでしょうね~
カメハメ波だったら、どうなるでしょうね~

テスターの精度(5)

$
0
0








 今度は、パソコンでいろいろな波形の交流信号を出し、その電圧をテスターで測定してみます。
 正弦波、三角波と矩形波です。カメハメ波は出せないんですけどね。
 電圧は3Vになるように調整しました。なかなかぴったしにならないんですけどね。
 試したテスターは、次の3つです。
・サンワのPC710 持っているテスターで一番信用できるものとして。
・METEXのM3870D ¥11200でした。
・再びサンワのMD-200C 骨董品です

 正弦波以外の波形は、やはりPC710以外のテスターではかなりの誤差が出ているようです。正弦波以外の波形では、高調波成分もかなりあり、それが正確に測定できないということは、周波数特性もあまり良くないことが想像されますね。実際、正弦波2kHzでかなり誤差が出ています。スペックでは、PC710が20kHzまで対応しているようです。

この通販サイト大丈夫?

$
0
0

 電子工作とは全然関係ないのですが、脚立を買いたいと思い、ネット検索したところ、安い店が出てきました。ところが、何だかとっても心配です。

ここは、KAWAIIの専門店ということですが、店舗名が何語かわからない特殊な名前で、会社の電話番号がないのと、この会社の住所をgoogle mapで調べると、それらしい会社がないことです。
http://www.aucnotrefavori.online/index.php?main_page=about_us&zenid=e8jdd88t27jju7ld5holaor167

次は、雑貨のお店ということですが、こちらも店舗名がHbfloraとなっていて、ちょっと(?)なのと、やはり電話番号が不明です。この会社の住所をgoogle mapで調べると、アパートなんですよね。
http://www.hbflora.online/index.php?main_page=about_us&zenid=n6ob7p9qkegaijlpn3fqsa67e1

次は、販売業者 遠藤 祥太となっていますが、会社の住所も電話番号も不明です!
http://www.pokuda.date/index.php?main_page=page&id=4
さらに、「遠藤 祥太」で検索すると、偽通販サイトだという情報も! きゃー!

 非常にあやしくないですか!?
 もしまっとうな会社だったらごめんなさいですが・・・
 通販ってこわいですね。知らない会社だと心配です。

テスターの精度(6)

$
0
0




 追加で、他のテスターも試してみました。
 標準は、同じくSANWAのPC710で、これに対して、他のテスターではどうなるかです。
 安物代表(?)として、¥600のMASTECHのM-830Bでは、50Hzの正弦波で、PC710が2.994Vを示しているのに、いきなり2.6Vで、とほほな感じです。ちょっと言い訳しますと、M-830BはACVが最低200Vレンジになってしまうため、誤差が大きいですね。もっと高い電圧なら、もう少し精度の高い測定ができたと思います。正弦波5kHzで2.7Vを示していますが、別に精度が上がったわけではないと思います。
 右から2番目の大きいやつはDT9205Aという型番で、正弦波50Hzはさすがになかなかの精度ですが、正弦波5kHzでは誤差が大きいです。
 一番右のPちゃんこと、秋月のP-16は、けっこう健闘していますね。TrueRMSが測定できる機種ではないのですが。ACVが500Hzまで測定できるようになっているので、激安テスターよりは周波数特性がいいのかもしれません。

抵抗等の雑音測定(1)

$
0
0

 以前、オペアンプなどの雑音測定をやりましたが、まだやっていない抵抗器などの雑音測定をやってみやうと思いました。
 測定回路はご覧のもので、OPアンプには、お気に入りのNJM4580DDを採用しています。これで、Rinをいろいろ変えて、雑音を測定しようというものです。ゲインは70dBです。
 測定は、前回と同様、PCにEL1352-F22C、WeveSpectraを使います。WeveSpectraとサウンドデバイスの設定は、MME,WaveMapper,96kHz,16bit,窓関数なし、フルスケールSin波の値を0dBにするです。前回と同様です。
 これで、0dB=2000μV/√Hzとして計算します。
 とにかくこれで、Rin=0Ωにして測定すると、RMS=-43.25dBになりました。計算すると、入力換算雑音電圧密度が4.35nV/√Hzとなります。
 前回の測定結果が4.2nV/√Hzでした。吾輩のいいかげんな測定にしては、それなりの再現性です。素晴らしいです。
 ちなみに、前回も書きましたが、NJM4580の雑音電圧は、データシートを見ると3nV/√Hzぐらいに見えるのですが、JRCの別の技術資料では5nV/√Hzとなっているので、おかしな値ではありません。なにしろ吾輩の測定なのでいいかげんですが、オーダーとして全く合わないわけではないように思っております。えへへ・・・
 ここまで準備するだけで、けっこう時間がかかりましたが、これから抵抗などを測定してみるぞ~


 

抵抗等の雑音測定(2)

$
0
0

 では、Rinにカーボン抵抗の1kΩを入れてみます。
 結果はご覧のとおりでした。RMS値が-40.63dBで、これは入力換算雑音電圧密度5.88nV/√Hzと計算できます。Rinなしの場合と比べて1.35倍に雑音が大きくなりました。1kΩの雑音は3.96nV/√Hzということですね。抵抗の熱雑音は、25度で4.06nV/√Hzだということですので、けっこう合っています。ふむふむという感じですね。
もっと低い抵抗の雑音は、測定系のほうの雑音があるので、測定は難しくなります。

抵抗等の雑音測定(3)カーボン抵抗4k, 10kの雑音

$
0
0


 では、抵抗をもう少し大きくしてみます。
 ちなみに、抵抗は全てカーボン抵抗です。
 まず4kΩですが、1kΩの2倍の雑音が出ているはずです。4kΩの抵抗は無いので、実際には2kΩの抵抗2本直列です。RMS=-36.77dBでしたので、入力換算雑音電圧密度が9.17nV/√Hzです。測定系の雑音が4.35nV/√Hzあるので、抵抗の雑音は8.07nV/√Hzと計算できます。理論的には、25度で8.12nV/√Hzですから、いいかんじです。
 次は10kΩですが、入力換算雑音電圧密度が13.8nV/√Hzです。測定系の雑音が4.35nV/√Hzあるので、抵抗の雑音は13.1nV/√Hzと計算できます。理論的には、25度で12.8nV/√Hzですから、これも「なんだかとってもいいかんじ」です。
 アンプの入力抵抗を大きくすると雑音が大きくなることが確認でき、また雑音の絶対値も、特別な測定器を使わないでおおよそ確認できるというのは、うれしいです。
 それから、カーボン抵抗でも、今回のような使い方では、ほとんど理論どおりの熱雑音の分しか雑音は確認できませんでした。よほど特殊なことをしない限り、20~20kHzのオーディオ周波数帯では、雑音に関してはカーボン抵抗で十分な気がします。
 なお、もっと大きい抵抗の雑音の測定は、この測定回路では難しくなってきます。オペアンプの入力バイアス電流があり、それが利得倍されて出力に出ます。低雑音オペアンプほど入力バイアス電流が大きくなる傾向にありまして、NJM4580の場合は最大で500nAありますからね。仮に、Rinを100kΩにすると、
100kΩ×500nA×100=5Vとなりまして、このあたりが限界です。

抵抗等の雑音測定(4)金皮抵抗1kの雑音

$
0
0


 低雑音と言われる、金属皮膜抵抗の雑音を測定してみやしょう。1kΩです。北陸電気工業のRNM1/4C3Fです。
 全く同じ測定回路です。結果は、3.91nV/√Hzでした。なるほど。理論的な熱雑音の大きさにかなり近いですね。というか、カーボン抵抗でもその程度だったので、金皮抵抗の雑音が、それ以上でも、それ以下でもおかしいですよね、えへへ。まあ、なんちうか、かなり当たり前っぽい実験でござりましたが、そういう当たり前っぽいことでも、一応一度は自分で実測してみることに、何がしら意味があるのかもしれないということで・・・
 

抵抗等の雑音測定(5)金皮抵抗4k, 12kの雑音

$
0
0


 金皮も1kだけではさみしいので、もちっと測定をば。
 カーボンと同様に4kΩです。本当は2kΩ2本直列ですが。結果は8.06nV/√Hzで、やはり理論的熱雑音の値と変わりませんね。
 次は12kΩです。本当は10kΩにしたかったのですが、手持ちが12kΩしかなくて。まあ、10kΩを買ってくればいいのですが、このためだけに買ってくるのもめんどうで、えへへ。結果は14.3nV/√Hzで、やはり理論的熱雑音の値と変わりませんね。
 やはり、カーボンでも金皮抵抗でも、このような使い方をする分には、熱雑音しか観測されませんね。

抵抗等の雑音測定(6)抵抗の電流雑音を測るには

$
0
0


 抵抗器の雑音には、熱雑音だけぢゃなくて、電流雑音というのがあって、金属皮膜抵抗ではそれが小さいからカーボン抵抗より低雑音だということですよね。アマチュアでは使いたくないのですが、チップ抵抗では、厚膜より薄膜抵抗のほうが低雑音だと聞きます。
 抵抗器の電流雑音というのは、抵抗器に電流を流した時に発生する雑音で、電流の二乗に比例し、また1/fノイズと言われるようなピンクノイズだそうです。
 何はともあれ、電流雑音も測定できないか測定回路を考えました。
 直流電源から電流を抵抗に流したときの雑音を測定するのですが、直流電源自体の雑音が大きくては話にならんでしょう。それで、測定回路Cを考えてみました。R10とC10で、直流電源からの雑音をカットして、供試抵抗のR11とR12に電流を流します。R11とR12は同じものを使います。アンプには直流をカットするコンデンサ経由で接続しますが、交流的には、R11とR12がパラに見えるので、この場合は1kΩになります。これで、約4.06nV/√Hzの熱雑音に加えて電流雑音が観測されるかどうかですね。
 比較回路として、測定回路A,Bも考えました。電源ノイズとかの影響が無視できれば、いずれも測定結果は同じになるはずなのですが・・・
 アンプ側も考えてみました。Rinを大きくできるようにとJFET入力のNJM072Dにすると、オペアンプのノイズが大きくなるのが少々残念ですねえ。このアンプの入力換算雑音電圧は12.4nV/√Hzでした。NJM4580とどっちがいいのかな。
 これで測定できるかど~か全然わからんのですが、とにかく試してみるべか。

抵抗等の雑音測定(7)カーボン抵抗の電流雑音?

$
0
0




 まず、測定回路Aで測定してみました。測定結果は、RMS=-33.66dBということで、入力換算雑音電圧が13.1nV/√Hzです。測定系の雑音を差し引くと、1kΩの抵抗の雑音は、4.2nV/√Hzと計算できます。ふむふむ、いい感じです。

 次は測定回路Bです。測定結果は、RMS=-33.66dBということで、測定回路Aと全く同じ結果でした。まあ、当然ではあるのですが、安心します。ちなみに、スペクトルの画面は100回平均の線のみにしてみました。このほうが見やすいかも。

 さて、問題の測定回路Cですよ。結果はご覧のとおりですが、まず測定結果は、RMS=-33.11dBということで、少し雑音が大きくなりました! さらに、スペクトラムを見ると、凡そ100Hz以下で雑音が大きくなっています。これがカーボン抵抗の電流雑音でしょうか! ついに測定したぞ、なんちって(笑)スペクトラムの縦軸を拡大したのですが、30Hz以下では、-60dBのラインを突き抜けていますね。やはり電流雑音は1/fノイズでしたね。

 しかし、吾輩の測定がいいかげんなことは、吾輩自身が一番良く知っているので(笑)、本当に抵抗の電流雑音が測定できているのか、さらに確かめる必要がありますね。測定回路で疑わしいのは、直流電源からのノイズです。そこで、測定回路Dのようにして、C10両端の雑音を測定してみました。その結果はご覧のとおりでしたが、何と1/fノイズがしっかり出ているではありませんか。きゃ~、抵抗の電流雑音だと思っていたのが、実は電源のノイズでした。とほほ。

 やっぱり、そう簡単に抵抗の電流雑音なんて測定できませんねえ。何しろ、今回の回路では3mAしか流していませんので、電流雑音が出ていたとしても、かなり小さいだろうし。C10が小さかったですかね。220μFは単にパーツ箱の中にあったので使ったでけでしたが。もっと容量の大きいものを使うといいかも。

 いやはや、雑音なんて出てほしくないときには出るのに、いざ出そうとしてもなかなか出ないとは。あはは。

抵抗等の雑音測定(8)C10を大きくして

$
0
0


 電源からのノイズが大きくて、抵抗の電流雑音の測定は失敗でした。
 C10を大きくすればどうでしょうか。手持ちの関係で、2700μFにしてみませう。10倍以上の容量ですよ。ちなみに日本ケミコンのLXZシリーズです。高周波での低インピーダンス品です。低い周波数では関係ないのですが、えへへ。
 測定回路Dで、RMS=-34.10dBとなりまして、スペクトルもかなりフラットになりました。よし、これで再度カーボン抵抗の電流雑音測定に再挑戦してみるべし。

 
 測定回路Cでの測定結果はご覧のとーりでした。100Hz以下で若干盛り上がっているような感じもしないではないのですが、よくわからないし、電源ノイズが完全には取り切れていない感じもしますし・・・
 
 う~ん、電流雑音っぽいものは観測されませんね~。カーボン抵抗は、少なくとも20Hz以上のオーディオ周波数で、今回の実験程度の電流を流しても、大した電流雑音は出ないのかもしれませんねえ。そうであれば、それはそれでけっこうなことで、安心してカーボン抵抗を使えばいいって感じもしますが、実験をやると、「あ~っ!」とか「きゃー」といった結果が出るのを半分楽しみにしていたのですが・・・えへへ。
 

抵抗等の雑音測定(9) カーボン抵抗の電流雑音ってどのくらい?

$
0
0
 カーボン抵抗の電流雑音って、簡単に測定できるほど大きくないのかもしれませんが、どのくらいあるのでせう?
 以前にも書いたんですが、抵抗器の電流雑音の測定方法はJISC5201-1にありまして、詳しくはJIS規格を読んでいただきたいのですが、1kHzあたりの雑音を測定していまして、定格電力1/2W未満の1kΩの抵抗器の試験電圧は10Vとなっていますので、そのぐらいの電圧をかけないと測定しにくいのでしょうかね。ただ、電流雑音というやつは、1/fノイズだというので、6Vぐらいの電圧でも100Hzぐらいの周波数なら観測できてもいいように思ったのですが・・・カーボン抵抗がけっこう低雑音だったということかしらん。ソリッド抵抗とか、厚膜チップ抵抗(メタルグレーズ)とかだったら、元気なノイズが出るのでしょうかね(笑)。ちなみに、抵抗体が不均一で、粒子と粒子の界面の接触抵抗が大きいような抵抗器は、電流雑音が大きいそうです。厚膜チップ抵抗(メタルグレーズ)は、酸化金属とガラスの粉を焼結したもので、界面だらけということですかね。

ところで、カーボン抵抗より金属皮膜抵抗のほうが低雑音だからいいと、確かめもせずにおっしゃっている人がいますよね。また、カーボン抵抗は雑音は大きめだが音は良いとか解像度が高いなどと意味不明なことを聴感だけで仰せの方がおられるようです。失礼ながら付き合い切れませんね・・・

抵抗等の雑音測定(10) ツェナーダイオードの雑音

$
0
0

 カーボン抵抗の電流雑音が思ったより小さくて確認できないほどでした。
 されば、ということで、も少し元気のいい雑音を出してくれるだろう、ツェナーダイオードに行きます。
 試験台に乗せたのは、ロームのMTZJ-6.2Bです。測定回路EでZD10というのが測定対象です。C10を大きくしたおかげで、電源からのノイズはかなりカットしています。
 結果はごらんのとおりでして、測定系(アンプ部)の雑音を差し引くと、22.5nV/√Hzということになります。いかがですか。ツェナーダイオードは別名「ノイズ発生器」と呼ばれたりしますので(?)、吾輩は、ツェナーダイオードの雑音というのは、もっと大きいのかと思っていましたが。それから、けっこうきれいなホワイトノイズですねえ。
 

抵抗等の雑音測定(11) ツェナーダイオードの雑音を減らすには

$
0
0

 ツェナーダイオードの雑音を減らしたい、と思う人は世の中で少なくないようです。
 その対策の1つとして、ツェナーダイオードにパラでコンデンサを入れる、という手があるようです。さて、どの程度の効果があるのか、試してみやしょうか。

 手始めに、1μFのメタライズドフィルムコンです。C11として入れています。
 結果はご覧のとーりでした。測定系のノイズを差し引くと、21.0nV/√Hzということで、コンデンサを入れなかった場合と比べて1.5nV/√Hzほど下がったんでしょうか? うーん、よくわからないですねえ・・・効果がないわけではないかもしれないのですが、1割も下がっていません。

抵抗等の雑音測定(12) C11を大きくしたら

$
0
0


 ツェナーダイオードに並列のC11を大きくしたら、どげなもんぢゃろうのう?
 手持ちの関係で、33μFにしてみます。ちなみに、三洋のOSコンです。OSコンは、なかなか特性の優れたコンデンサです。今回の実験に関しては普通の電解と結果は変わらないかもしれませんが。
 結果はご覧のとーりですが、RMS=-31.69dBですから、平均で16.5nV/√Hzということで、測定系のノイズ12.4nV/√Hzを差し引くと、12.8nV/√Hzと計算されます。明らかに低雑音化していますね! 特に数kHz以上の周波数で雑音が下がっているようです。

 これはいいぞ、ということで、調子に乗って、C11をさらに大きくしてみませう ♪
 手持ちの関係で、220μFの電解コンです。ちなみに、ニチコンのURSシリーズです。
 結果は、ご覧のとおりですが、数100Hz以上で雑音が下がり、RMS=-33.92dBですから、平均で12.7nV/√Hzで、これはもう測定系のノイズとあまり変わらなくなってしまいました。220μFという大きいコンデンサにより、交流的にはほとんどショートしているのと同然ということでしょうね。

 ということでですね、かなり大きめのコンデンサを入れれば、確かにツェナーダイオードの雑音をけっこう取れるようですね。ただし、今回の実験は負荷電流を取っていないので、負荷電流の大きさによっては、様子が変わってくるでしょうね。

抵抗等の雑音測定(13) ツェナーの電流を少なくしたら

$
0
0

 ツェナーダイオードの雑音というのは、流す電流によって大きさが変化すると言います。しからば試してみようということで、測定回路Eに戻り、R11を大きくしてみませう。
 
 R11を10kΩにした結果はご覧のとーりでしたが、RMS=-24.82dBで、雑音電圧密度で36.3nV/√Hzであります。測定系の雑音12.4nV/√Hzを差し引くと、34.1nV/√Hzです。
 R11が2kΩのとき、22.5nV/√Hzでしたから、雑音が大きくなっています。6割ぐらい雑音が大きくなったんですね。やはりツェナーダイオードの電流を減らすと雑音が大きくなるようです。

抵抗等の雑音測定(14) ルネサスの技術資料であれっ?

$
0
0


 ルネサスの技術資料に、ツェナーダイオードの雑音に関する情報がありました。
 まずこの図の見方ですが、雑音出力というのは、AMPの出力電圧なのか、入力側の電圧なのかですね。例えば雑音出力が10μVだとして、帯域幅が4MHzということは、平均して、5nV/√Hzになります。もし、AMPの出力電圧だとしたら、AMPの利得が40dBですから、入力側の雑音電圧密度が0.05nV/√Hzということになりますが、そんなに低雑音なワケがありません。これは、「入力側の雑音電圧密度」だと判断していいでしょう。も少し資料をわかりやすくして欲しいですね。それと、雑音に関する資料を見ていていつも思うのですが、雑音の大きさは、V/√Hzの単位で表してほしいですね。Vで表現されたって、帯域幅で変わるでしょ!と言いたい・・・ぶつぶつ

 さて、「抵抗等の雑音測定(10)」で測定した、ロームのMTZJ-6.2Bの雑音が、電流3mA弱の時に、22.5nV/√Hzでした。ツェナー電圧が近いHZ6B2と比較して、MTZJ-6.2Bのほうが雑音が大きいのでしょうか? いやいや、測定条件が違いますし、特に測定している周波数帯域が全然違いますからね、比較する意味はあまりないでしょう(笑)。

 ルネサスのこの技術資料を見るといろいろ参考になります。
○ツェナー電流が小さいと雑音が大きくなる傾向がある。
○汎用のHZシリーズで、ツェナー電圧が9V以上のものは雑音が桁違いに大きい。アバランシェ降伏というやつは雑音が大きいようだ。
○低雑音のHZ-Lシリーズというものがあるが、HZ6B2とHZ6B2Lを比較した場合、HZ6B2Lのほうが雑音が大きく見える。 あれっ?
Viewing all 343 articles
Browse latest View live